2021年2月23日
フレデリックの日本武道館ライブ、アンコール2曲目、最後の曲。そしてこの日初めて披露される曲。
『名悪役』
残念ながらわたしはこの日武道館には行くことができなかったんだけれど、配信でこの曲を聴いて、わたしなりに思うことがあり久しぶりに言語化したいな〜と思ったので綴ります。(彼らのインタビューはこちら)
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思い出にされるくらいなら
二度とあなたに歌わないよ
この曲を最後の最後にもってくるところがずるいなぁと大きな溜息をついた。まさに大どんでん返し。
「おれらの曲をあなたの思い出と重ねてくれれば」ってMCで言ってたのに、最後の曲で「思い出にされるくらいなら 二度とあなたに歌わないよ」と歌いはじめるだなんて。まさかこんな展開が待ってるだなんて思いもしなかったなぁ。武道館最後の曲に新曲でこんな衝撃が走る曲をもってくるとは……フレデリック強いなぁ。
このまま僕は曖昧な最終回なんて過ごしたくはないよ
「色褪せはしない今が綺麗だった」って
思い出にされるくらいなら
二度とあなたに歌わないよ
曖昧な最終回なんて過ごしたくはないよ、ってなんだろうって自分なりに考えてみたんだけれど、バンドにとって武道館でのライブってひとつの終着点、ゴールとして捉えられることが多いじゃないですか。武道館で終わりというわけではないけれど、ひとつの大きな目標として掲げられることが多い武道館。その念願の武道館のライブが例のウイルスによって席数も減らされて行けない人も多い今。きっと彼らが思い描いていた武道館ではなかったのではないだろうか、と思うんだよね。彼らの音を満杯の武道館でかき鳴らせなかった(もちろん満杯じゃなくても彼ららしい100点満点の武道館ではあったと思うけれど)というあたりが曖昧な最終回、なのかなぁ…なんて。
もちろんこの曲が武道館のために書き下ろされたものではないのは分かっているんだけれど、なんだかこの"このまま僕は曖昧な最終回なんて過ごしたくはないよ"がこの日のライブに当てはまっている気がしたんだよね。
これから僕は後悔や劣等感さえも正解に変えて
「色褪せはしない今が綺麗だった」って
思い出にされるくらいなら
思い出を超えるくらいにさ
絶え間ない今を歌うから
二度とあなたを忘れないよ
後悔や劣等感さえも正解に変えて、という歌詞が個人的にはすごく大好きで沁みたんだけれど、何回も聴くうちに"さえも"という言葉にすごく引っかかってしまった。
わたしの勝手な解釈だけど、正解(自分にとって良いこと、褒められたこと上手くいったこととか?)だけを選んで集めていくのではなく、後悔や劣等感(自分にとってあまり触れたくはないこと、マイナス要素)で"さえも"あえて選んで拾っていく。選んで拾って試行錯誤して、どれだけ悩んで苦しんだって、後悔や劣等感さえも自分たちの強みにしていくよ、っていうことなのかなぁと。
隠の要素でさえも陽に変えていこうとするのはフレデリックらしいなぁ。(インタビューにもあったけれど、名悪役っていう一見悪のものを主軸にして曲をつくるのがフレデリックらしい)
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この目で見れなかった、武道館で聴けなかった新曲に想いを馳せて、いつかまた会える日にこの曲を聴きたいと願うばかり。初めて聴いた日からふとした時にこの曲が頭の中を流れ始めるので本当に"名悪役"だよ。
いつでもワクワクする世界に連れて行ってくれるフレデリックとの未来が最後の歌詞に詰まってる。
まだ見ぬノンフィクションを脳に浮かべて
その台本を置いた
その台本には何が書かれてるのか、まだ見ぬノンフィクションはどんなものなのか、何が脳に浮かんだのか。それを知る日まで楽しみにしてる。
また連れて行ってね、武道館。
今度は行きたいな。